脱毛革命
1. 肌のしくみ
最近はワキ、ウデ、スネ、ビキニラインなどの脱毛に医療レーザー脱毛が多く行われています。
レーザー治療のお話をする前に、肌のしくみについて少し説明します。

図のように肌(皮膚)は外側から表皮、真皮、皮下組織の3層に分けられ、表皮の上には皮脂膜の層があります。表皮はさらに角質層、顆粒層、有棘層、基底層の4層に分けられます。角質層の役割は、外部からの刺激を遮るバリア機能や、肌のみずみずしさを保つ水分保持機能、さらに熱を外部へ逃がす作用などがあります。
基底層では細胞分裂が行われており、肌の新陳代謝に大きく関係します。ここで作られた新しい細胞が皮膚の表面に向かい、古くなった角質層がはがれ落ちることで、新陳代謝が繰り返されていくのです。真皮には皮脂腺、汗腺、毛根があり、皮膚の弾力性に影響を及ぼしています。皮脂腺はすべての毛根に付属して皮膚表面に皮脂を分泌し、皮脂膜を作り、皮膚の乾燥を防いで、なめらかな状態に保っています。皮下組織には脂肪が蓄えられ、外部からの衝撃のクッションとしての役割を担っています。
毛が皮膚から出てくるところの毛孔には、アポクリン腺と皮脂腺からの分泌物が排出されます。アポクリン腺はワキ、へそ、肛門、陰部、乳輪、耳などの限られた部位にのみ分布しています。このアポクリン汗腺は思春期になって初めて活動しはじめますが、ワキガ(腋臭)による臭いの主な原因になっています。では次に、毛のしくみについてお話しします。
2. 毛のしくみと毛周期 (ヘアサイクル)
毛は皮膚の表面を境に二つの部分に分けられ、表面に出ている毛の部分を毛幹、埋まっている部分を毛根と呼んでいます。毛根の最下部は膨れており(毛球)、ここには毛を作り出す毛母があります。毛根を包み込んでいるのが毛包で毛球部において毛母と密着している組織を毛乳頭といいます。毛母で細胞分裂は繰り返され、毛は成長します。この毛母の活性に、大きく関わっているのが毛乳頭で、発毛メカニズムの鍵を握るとされています。ですからいくら毛を抜いても(たとえ根元から抜いたような気がしても)、再び毛が生えてくるのはこの毛根が残っているからです。毛根が残っている限り、毛は繰り返し生えてくるのです。
毛周期(ヘアサイクル)図




同じ状態で生えているようにみえる毛にも寿命があります。生えた毛が抜け落ち、再びその毛穴から新しい毛が生えてくる毛周期といわれるものです。毛周期には成長期(アナゲン期)、退行期(カタゲン期)、休止期(テロゲン期)があり、この時期を繰り返すことで一定の毛髪数が保たれます。
成長期では、毛の発生源となる毛母と毛乳頭が一体となって活動し、毛がどんどん伸びます。はじめのうちは、皮膚の中で毛は成長しますが、やがて皮膚の表面に出て伸びつづけ太くなっていきます。この時期、毛の伸びるスピードはひげや頭髪などは早く、1日0.3~0.4ミリといわれています。またワキ毛や陰毛などは、1日0.2~0.3ミリとされています。ちなみにワキ毛を10日に1回ほどの割合で剃っている人は、2~3ミリに伸びた成長期の毛を処理していることになります。
毛母が毛乳頭から離れると、毛母細胞の細胞分裂が次第に止まり、やがて毛の成長は止まってしまいます。そうなると毛は自然に抜け落ちるようになります。この時期を退行期といいます。毛母が毛乳頭から完全に離れると毛包が収縮し、毛の一生を終えることになります。この時期を休止期といい、毛穴は完全にふさがっていますが、すでに皮膚の中では、新たな活動が始まっています。すなわち新しい毛母が出現し、毛乳頭を求めて下に伸びていき一体化して新しい毛根を作るのです。こうして発毛が始まり、次の成長期を迎えることになるのです。部位によって異なりますが、休止期は2ヶ月~1年ともいわれます。私たちの体の表面に出ている毛は、毛根全体の3分の1程度です。ですから毛根の多くが、皮膚の下で発毛準備をしているのです。
毛の表面は毛小皮(キューティクル)に被われ、内側にもうひしつ毛皮質があります。毛皮質にはメラニン色素が存在し、髪の色調を決定しています。すなわち多量のメラニン色素を含む毛髪は黒髪になり、色素を失うと白髪になるのです。紫外線は、殺菌にも用いられる程強力です。メラニン色素を持つ細胞があるために、有害な紫外線が体表(毛髪、皮膚)で閉じ込められ、結果守られるという仕組みです。かつて赤道付近に居住していた黒人は、強い紫外線から体を守るためにメラニン色素を多く必要としました。一方北極近くに住んでいた白人は日照時間が少なかったため、メラニン色素の量は少なくなりました。
3. 新しい脱毛の誕生
最近は自分の人生や余暇を大切にしようと、活動的な女性が多くなりました。ライフスタイルを楽しむため、そこに脱毛が必要になるケースが増えてきたようにも思います。実際にムダ毛の相談で多いのは、ワキやビキニライン、ウデやスネなどです。女性の9割が「永久脱毛したい」というアンケート結果からみても、程度の差はあれ、誰もが悩みを抱えているようです。
これまで永久脱毛といえば、針脱毛が主流でした。これは針に電流を通して毛根を破壊する方法です。1回の脱毛に要する時間も長くかかりました。また操作上、皮膚がやけどのような状態になるため、シミが残るというデメリットもありました。こうした欠点を改善し、速くて、安全・確実な方法として生み出されたものが医療レーザーによる脱毛です。これはアザの治療に使われていたレーザーをヒントに、新しく開発されたものです。
医療レーザー脱毛を使うことで、確実に毛根を破壊することができます。取り扱い方法にも、経験と知識・技術を要します。脱毛に関する宣伝は、今や街中にあふれているといっても過言ではありません。あなたが脱毛を受けようと思っているのならある程度の医学的な知識を持つことが大切です。